前立腺癌検診ってきいたことがありますか?
男性は年を経るにしたがって前立腺が大きくなる傾向があります。前立腺の腫大のうち、良性のものが前立腺肥大症、悪性のものが前立腺癌です。
前立腺癌には優れた腫瘍マーカー(癌になっていれば異常値を示す)があり、血液検査だけでもある程度早期発見に役立ちます。われわれ泌尿器科医は血液検査に加えて触診(前立腺は恥骨という骨の裏側にあり、腹部からは触れません。だから前立腺の触診は肛門から指をいれて行ないます)、超音波検査(触診と同様の理由で、前立腺の超音波検査は肛門から機械を入れます)を行なうことで、より確かな診断をめざしています。といいますのは、前立腺の腫瘍マーカー(前立腺特異抗原:PSA)は前立腺癌以外の病気(前立腺肥大症、前立腺炎、残尿など)でも上昇するので、PSAのみで判断するのは早計です。50歳を過ぎたら一度PSA検査を受けましょう。正常上限付近や異常値だったらご相談ください。
いざ前立腺癌と診断され、宣告されたらビックリしますよね。前立腺癌は他の癌と少し違うところがあります。普通は癌と診断されたら、早期なら手術、ダメなら放射線療法か抗癌剤療法ということになりますが、前立腺癌は一般に進行が遅く、またホルモン療法がよく効きますので、早期でも治療しないで経過観察のみとか、ホルモン療法が選択される場合があります。また多部位に転移がある状態から治療を開始しても5年以上症状なく過ごせたりする場合があります。癌宣告にパニックにならずに十分主治医の先生の説明を聞いて下さい。説明がわかりにくかったり、治療法の選択にいきづまったら、よろしければアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。